またまた、角界は土俵外で大騒ぎ。
貴乃花親方が日本相撲協会を退職するとの事で。。。
さて、世間ではまたまた協会執行部が「悪の中枢」革命派貴乃花親方が真実と信念を貫いて悲劇的に退職。という構図になって報道されておりますが、真実は如何なものなのでしょうか?
貴乃花親方は平成の大横綱でいまだにスーパーヒーローです。その発言力は人々の共感を得やすいし、実際にそういう構図で偏った報道がなされていると思います。
でも先日の会見とその後の報道を見ていろんなところに???が付いたので一方的な見方を除いて見てみようと思います。
まず1つ目に日本相撲協会は本当にそんなに「閉鎖的」「隠ぺい体質」「中央集権の独裁運営」なのでしょうか?
確かに今までの不祥事を見てみるとそういう部分も垣間見えたところもありました。旧時津風部屋の暴行致死事件など絶対に風化させてはいけない悲劇もありました。日馬富士事件もしかりです。殴りすぎた事は反省していたけどそうではなく、手を出してしまった事を反省すべきだと言うのをわかっていない。協会も傷害事件に発展しているのに、それに対する危機感が低すぎた感も否めません。
しかし公益財団法人となり、何かあれば世間から大バッシングを受け、その存在意義までも問われる中、さすがに「今までの角界の常識は世間の常識とずれていた」ことくらい分かっていると思います。力士研修会ではしっかりと暴力根絶を訴え、指導し、相撲文化を通して真の公益事業としての団体運営を目指している努力もしっかり見られます。第一本当にそんなに「悪の権化」である団体だとしたら、元々公益財団法人としての認可なんか降りやしないでしょう。しかし世間は協会執行部は「悪」であるイメージを持っている。これはメディアの報道の仕方に大きな責任があると思います。なぜなら「悪」であるほうが面白いじゃないですか!春日野親方の顔も恐いし、そうであった方が断然面白いですよね。(春日野親方のにっこり笑った顔とても素敵なんですよ♪)
2つ目に今更貴乃花親方を締め出す必要があったのか?
一連の協会と貴乃花親方との抗争で貴乃花親方は理事解任、理事選の落選、平の年寄に降格にて「協会執行部の完全勝利」という形で既に終わっていました。おそらく向こう十年は理事にはなれないだろうというのが大方の考えで、おそらく協会執行部も騒動は収束したと思っているはずです。そんな貴乃花親方を今更そんなに露骨に締め出しや圧力を本当にかけるのか?そんなことすれば当然貴乃花親方はメディアでベラベラ喋る事も分かるだろうに、そんなリスクを背負って貴乃花親方を追い出す必要があったのか?というところです。
それを冷静に考えると、「一門に入らなければ部屋として存続できない」とか「告発状が事実無根と認めなければ一門には入れない」などという事を本当に言うのだろうか?五つある一門のどこかの親方が非公式に言ったとしても他に受け入れ態勢があった一門もあっただろうに。ましてやそれを「協会として」なんかでいう訳があるのでしょうか?
第3に告発状に対する執着
貴乃花親方が内閣府に提出した告発状。それが事実かどうかはわかりません。ただ一つ確かな事は貴乃花親方は「取り下げている」のです。会見では「信念に基づき事実無根だったと認めるわけには行かなかった。」と言ってましたが、だとしたらなぜ取り下げたのでしょうか?部屋を潰してでも守りたい信念だとしたら、貴公俊の暴行事件があっても貫き通すべきだったし、貴公俊を守るために取り下げたのであるなら、仮に今回圧力を受けて事実無根と認めろと言われたとしても泥水を飲むつもりでそうすれば良かったのに。取り下げちゃってるんですから。ましてや部屋を潰して弟子たちを路頭に迷わす危険を冒して執着する程のものでもないと思います。
これらの事実を見ると同じ事実も景色が違って見えますね。
いづれにせよ、相手が誰であろうと長いものに巻かれない、最後まで強い横綱であった貴乃花親方。
今の協会内でここまで自分を貫き通せる親方が他にいるかは不明です。
仮に10年後、そんな強烈なリーダーシップを図れる親方がいない事を嘆く日が来るかもしれませんが、それは今世間が求めている理想像であると思います。
公益財団日本相撲協会は「組織」です。その姿は一般人の常識と一般社会のコンプライアンスを世間からさんざん露骨に求められて変化した結果ですから。